刑法の法律知識に乏しい素人は、
裁判員としてどのような思考を巡らすのか・・・?
私(素人)が練習問題でやってみた!!
素人考えなので当然の事ながら、論文等の参考にはなりませんので悪しからず・・・。
【問1】
産婦人科の開業医Aはある日突然診察室に駆け込んできた臨月の妊婦Bから適当な方法で胎児を始末してくださいと懇願されたが、これを断った。
ところが、Bは間もなく産気づいてその場で男児Cを分娩した。
そこでAは、その生まれたてのCに付着する汚物を拭き取った上、看護師Dが他の入院患者から借りたバスタオルにCを包んでBに引き渡した。
Bは、Aのすきをみて、Cを病室に置いたまま立ち去った。
Aはこれに気づき、その後、Cの寝ていた病室を時々のぞいたがBがやがて帰ってくるだろうと期待して、哺乳、保温などの処置を講じなかったため、Cは数時間後に死亡した。Aの罪責はどうか。
【論点】
男児C死亡に対する産婦人科開業医Aの罪責
【判決】
有罪
【罪名】
業務上過失致死傷罪(刑法211条1項)
【概要】
産婦人科開業医Aは男児Cに対し適切な処置を講じる立場にありながら、それを怠ったため、男児Cは死亡したので、業務上過失致死傷罪(刑法211条1項)の責めを負う。
【有罪との結論に至った理由】
産婦人科開業医Aに対して有罪との結論に至った理由を述べる前に、
まず、男児Cの母親であるBに対する罪責について述べておきたい。
母親Bに関しては、男児Cが死亡したことに対する責を問うことはできない。
なぜならば、産婦人科開業医Aの元に男児Cを置いたまま立ち去ったことが、
男児Cの死亡という結果を招くということを予見することが不可能だからである。
しかしながら、保護責任者遺棄罪(刑法218条)が成立する。
刑法218条には『老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する』とある。
ちなみに『遺棄』の意味は『捨てること』『置き去りにすること』であるが、
『幼年者・・・を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し』という部分において、
『男児Cを病室に置いたまま立ち去った』という母親Bの行為に対して保護責任者遺棄罪の適用が妥当であると結論するものである。
さて、本筋の産婦人科開業医Aに対して業務上過失致死傷罪(刑法211条1項)により有罪との結論に至った理由は次のとおりである。
産婦人科開業医Aは『Bがやがて帰ってくるだろうと期待して、哺乳、保温などの処置を講じなかった』としているが、そもそも『突然診察室に駆け込んできて、適当な方法で胎児を始末してくださいと懇願』するような人物に対して『やがて帰ってくるだろう』などと期待することが到底できないのは明白である。
産婦人科開業医Aの言い分である『やがて帰ってくるだろうと期待』などという文言は男児Cの死亡に係る責を負いたくないがための単なる言い逃れに過ぎないといえよう。
つぎに、『男児Cを産婦人科開業医Aの患者とみなせるかどうか』が重要な点だと思われる。
まず注目したいのは、母親であるBが男児Cを病室に置いたまま立ち去ったことを、産婦人科開業医Aが気づき、さらに『Cの寝ていた病室を時々のぞいた』という事実である。
この時点で、産婦人科開業医Aは『自分がみるべき患者』という認識を男児Cに対して持っていたとみなすのが妥当であろう。
そもそも、母親であるBが帰ってこないことは、想像に難くないのであるが、『母親であるBが帰ってくる、帰ってこない』ということは『哺乳、保温などの処置を講じる』という話とは無関係『そんなの関係ねぇ!はい!オッパッピ〜』なのである。
産婦人科開業医Aは当然のことながら、新生児に対して行うべき処置というものを経験上知っていたのであるから『哺乳、保温などの処置を講じなければ危険である』ということも認識していたはずである。よって『Cの寝ていた病室を時々のぞいた』時点で哺乳、保温などの適切な処置を講じる必要があったのはいうまでもない。
産婦人科開業医Aは適切な処置をするべき立場にありながら、それを怠ったために男児Cが死亡したのであるから、医療過誤による業務上過失致死傷罪(刑法211条1項)『業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする』にあたると判断するものである。
もう一つの考え方として・・・。仮に腕利き弁護士により裁判において上記の罪責に問われなかったとするならば、医療事故による業務上過失致死傷罪を提起したい。
『厚生省保健医療局国立病院部政策医療課』が作成した『リスクマネージメントマニュアル作成指針』による『医療事故の定義』の項目に『患者が廊下で転倒し負傷した事例のように、医療行為とは直接関係しない場合』というのがある。つまり『病院内』で患者が死亡した場合、医療行為をしていなかったとしても『医療事故』とされるのである。
『医療行為をしていなかった(何もしなかった)にも係らず病院内で患者が死亡』という事実は、産婦人科開業医Aを医療事故による業務上過失致死傷罪とするに足ると考えられる。
医療過誤・医療事故、いずれにせよ産婦人科開業医Aは業務上過失致死傷罪で有罪ある。
ひょっとしたら法律を学んでいる方が論文の参考などで当文章を見る可能性もあるので、
そういった方のために間違いや考え違いの箇所があれば、
コメント欄へコメントしてあげておいて下さい。
また、参考とする判例のない難解な良い練習問題なども、暇な時に考えてエントリするので、
もしあればコメント欄へ書いておいて下さい。
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ところが、Bは間もなく産気づいてその場で男児Cを分娩した。
そこでAは、その生まれたてのCに付着する汚物を拭き取った上、看護師Dが他の入院患者から借りたバスタオルにCを包んでBに引き渡した。
Bは、Aのすきをみて、Cを病室に置いたまま立ち去った。
Aはこれに気づき、その後、Cの寝ていた病室を時々のぞいたがBがやがて帰ってくるだろうと期待して、哺乳、保温などの処置を講じなかったため、Cは数時間後に死亡した。Aの罪責はどうか。
【論点】
男児C死亡に対する産婦人科開業医Aの罪責
【判決】
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【罪名】
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【概要】
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【有罪との結論に至った理由】
産婦人科開業医Aに対して有罪との結論に至った理由を述べる前に、
まず、男児Cの母親であるBに対する罪責について述べておきたい。
母親Bに関しては、男児Cが死亡したことに対する責を問うことはできない。
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